シカの採食により林床植生が衰退している丹沢堂平地区の斜面および渓流において土壌侵食量、地表流流出量、林床合計被覆率、降雨量、流量、濁度等を測定した。その結果①林床合計被覆率の季節変化が地表流流出量、土壌侵食量に及ぼす機構および影響を明らかにすることができた。②斜面におけるプロットスケールから流域スケールにおける、土壌侵食量と浮遊土砂量の関係、および地表流流出量と渓流における流量の関係を明らかにすることができた。③シカの食圧による林床植生の衰退とそれに伴う林床合計被覆率の変化が流域の流量、浮遊土砂流出量の季節変化および年変化に与える影響を推定する手法を提示することができた。
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