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2013 年度 実施状況報告書

接着剤の微量塗布技術を用いた木質マイクロプライの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23580232
研究機関秋田県立大学

研究代表者

山内 秀文  秋田県立大学, 付置研究所, 准教授 (90279513)

キーワード木質マイクロプライ / 微量接着 / 微量塗布 / 木質積層材料
研究概要

最終年度は、木質マイクロプライの実用的な接着剤塗布装置の試作およびその機能性評価を行うとともに、樹脂複合を念頭に置いた化学修飾技術の基礎的な検討を行った。
・実用的な材料性能評価を行うために、より大判での試作を行うための接着剤塗布装置昨年度末より設計に入り、今年度初頭に最終仕様を決定した。稼働範囲が700mmおよび1000mmの電動アクチュエーターを、PC制御が可能な汎用の2軸モーターコントロールユニットにて駆動することで、最終的に600×900mmの塗布範囲を持つ塗布装置を作製できた。この装置に、これまでの小試験体作製実験で用いてきた噴霧ヘッドを装着して、同じ塗布条件にて塗布量の定量を行ったところ、塗布量に再現性があることが確認された。また、600mm角の単板を用いた試作実験の結果、これまで小試験片で確認された曲げ性能や耐煮沸性等において同様の性能を持つ材料が得られ、これまでの知見が研究室レベルの小試験片に限ったものではなく、実用的な寸法における材料づくりにおいても適用できるものであることが確認された。
・より実用的な材料製造技術として、接着剤塗布後の薄単板を接着剤塗布後に再乾燥・保存し、漸次乾燥状態で材料製造に用いる、いわゆるプリプレグ法を適用するための基礎実験を行い、汎用のPF樹脂を用いた場合にでも、50℃下で72時間養生した後も同様の接着性能が得られることを確認した。
・汎用樹脂との接着性能改善を目的として、単板が薄いことを利用した簡易な化学修飾方法を検討した。モデル処理にアセチル化を用い、厚さ0.3mmの薄単板を用いた処理実験を行った。その結果、80℃の低温処理で6-12時間程度処理することで、無水酢酸のみでも15%の重量増加が得られた。また、合板での試験より、接着に必要な表面のみの処理であれば、気相処理などのより緩い条件でも十分処理可能であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、材料寸法の影響など、より実用性に重点を置いた製造条件等の検討を行った。その結果は、これまでの知見に準じるもので、この薄層材料製造技術が十分に実用的であることを示すことができた。また、より広範な応用技術への展開に向け、薄単板積層材料の化学修飾の可能性についても検討を行った結果、材料寸法の優位性により、より簡便に処理できる可能性も明らかにすることができた。この意味で、当初設定した研究の目的はほぼ達成できたのではないかと考えている。

今後の研究の推進方策

研究協力者から、より薄い単板を用いた際の木質マイクロプライの性能評価を行っておくべきとの指摘があり、これに対応するための追加実験を行う。

次年度の研究費の使用計画

年度末に行われ木材学会大会の発表内容打合せに際し、研究協力者から指摘された実験結果の不透明部分について、確認のための若干の追加実験を行うこととした。
上記の追加実験を行うための消耗品(実験材料)およびその調製に関わる実験補助雇用に充てることを想定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 接着剤の微量塗布技術を適用した薄単板積層材料の開発(II) - 薄単板積層材料の合理的製造技術 -2014

    • 著者名/発表者名
      山内秀文、足立幸司、梅村研二
    • 学会等名
      第64回日本木材学会大会
    • 発表場所
      愛媛大学
    • 年月日
      20140313-20140315

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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