外来移入種の巻貝サキグロタマツメタ(以下サキグロ)は貝食性で生きた貝類を捕食することから、水産重要貝類のアサリの生産や干潟域の貝類多様性に影響を与えることが懸念される。研究開始直前の2011年3月の東北地方太平洋沖地震の影響で、アサリもサキグロも個体数が大きく減少した。その後場所により回復過程は異なっており、地盤沈下の影響が大きかったところでは両者とも回復が遅れている。サキグロの原産地の中国ではサキグロも漁業資源として採捕・販売されており、アサリ資源への影響はほとんどないと考えられた。地震後アサリ採捕が行われていない福島県ではアサリもサキグロも増えており、サキグロ駆除を開始した。
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