本研究は集水域からの物質流出量である流出負荷量の区間推定をおこなうため,負荷量予測式・水質応答モデルの改良を目指したものである.研究の結果,水質応答モデルが実際の水質濃度や瞬間流出負荷量の実測値に対して高い再現性を有することが重要なのではなく,流出負荷量水質試料のサンプリング法も含めた流出負荷量推定のこれまでの考え方自体に問題があることが明らかとなった.効率的なモンテカルロ数値積分法である重点的サンプリング法を適用することで,適切な流出負荷量の区間推定法を構成できるだけでなく,従来種々の方法で収集蓄積されてきた水質データに基づいても,適切な流出負荷量の区間推定を行うことが出来るようになった.
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