牛の育成では超早期母子分離が慣行化しているが、他動物種では、生後間もない時期に母親のケアがないことは、大きなマイナス要因と考えられている。本研究では、母親のケアの中で大きな要素であるグルーミングの代替として擬似グルーミング装置を開発し、特許出願した。子牛は、生後間もない時期から装置を継続的に利用したことから(1日あたりの平均利用時間は25.3分)、子牛の装置利用に対する強い欲求が示され、母親のケアの代替である本装置の有効性が示唆された。群編入後3ヶ月間では、装置を利用した雄で、おそらくは社会的ストレスによると考えられる増体の抑制が緩和された。
|