研究課題/領域番号 |
23590013
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
下田 恵 大分大学, 医学部, 准教授 (40284153)
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キーワード | 有機合成 |
研究概要 |
本年度も前年度に引き続き、水溶性の高いタキソール誘導体の合成を効率的に行うため、オリゴ糖などの糖鎖を持つタキソール誘導体の合成に有効なケモエンザイマティック合成法の開発を行った。スペーサー部分の結合に利用する化学的な縮合反応について、タキソールの7位と10位のエステル化に最適な合成反応についての検討を行った。合成手法として、タキソールの2'位の水酸基をトリエチルシリル化により保護したマスク化合物へスペーサーに生体触媒を使用して糖鎖を伸長させた修飾側鎖をエステル化させる方法と、バッカチンIIIの7位をトリエチルシランを使用して水酸基を保護したマスク化合物へスペーサーにグルコシダーゼを利用して糖鎖を結合させた修飾側鎖をエステル化させる方法、10位を加水分解により脱エステル化した原料の2'位をトリエチルシリル化により水酸基を保護したマスク化合物へスペーサーに生体触媒を使用して糖鎖を伸長させた修飾側鎖をエステル化させた後に側鎖を結合させてタキソール誘導体へ変換する方法について検討を行った。その結果、タキソールの7位のエステル化に最適な合成法は、2'位の水酸基をトリエチルシリル化により保護したマスク化合物へスペーサーにグルコシダーゼを使用して糖鎖を伸長させた修飾側鎖をエステル化させる方法であることがわかった。一方、10位のエステル化に最適な合成反応については、脱エステル化した原料の2'位をトリエチルシリル化により水酸基を保護したマスク化合物へスペーサーに生体触媒を使用して糖鎖を伸長させた修飾側鎖をエステル化させた後に側鎖を結合させてタキソール誘導体へ変換する方法が有効であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は水溶性の高いタキソール誘導体の合成を効率的に行うための、オリゴ糖鎖を側鎖に有するタキソール誘導体の合成に不可欠なケモエンザイマティック合成法の開発を行う上で、エステル部分の縮合反応による結合方法の開発を行っており、ケモエンザイマティック合成法を発展する成果であるため、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後、タキソールの糖鎖部分にプリメベロシドやゲンチオビオシドを結合させた水溶性を向上させた誘導体の合成を行う。そのため、酵素や植物培養細胞をスクリーニングして、プリメベロシドやゲンチオビオシドを効果的にスペーサーに結合させる生体触媒を探索し、合成に用いる。
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