伸長ポリグルタミン病は、疾患原因遺伝子内のCAGリピートが伸長することにより生じる伸長ポリグルタミン鎖含有タンパク質の凝集を特徴とする遺伝性神経変性疾患であり、このタンパク質凝集体が他の細胞内タンパク質の機能低下を誘発することが発症原因であると考えられている。本研究では、(1)我々が明らかにしてきた伸長ポリグルタミン病モデル細胞での小胞体分子シャペロンGRP78の発現減少がユビキチン‐プロテアソーム系を介したタンパク質分解の促進に起因すること、および(2)漢方薬からのGRP78発現調節物質の探索し、甘草の主成分の一つであるナリンゲニンをGRP78発現誘導物質として見出した。
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