研究課題/領域番号 |
23590168
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
三浦 昌朋 秋田大学, 医学部, 教授 (30265194)
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キーワード | 分子標的治療薬 / TDM / 血中濃度 |
研究概要 |
ニロチニブは患者51例を対象にターゲットトラフ濃度をROC曲線から算出し、761ng/mL以上の濃度が必要であることを国際学会(ASH2012)で発表した。 ダサチニブは、胃酸分泌抑制剤と相互作用し、血中濃度を有意に低下させることを論文発表した。また血中濃度が低いとT315Iの点突然変異を発現させる可能性が高いことを論文報告した。 ゲフィチニブはトラフ濃度400ng/mL以上で下痢を誘発することを現在論文投稿中である。 いずれの結果も分子標的治療のマネジメントに血中濃度が有用である可能性を示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【ニロチニブ、ダサチニブ】 23年度より患者数は増え、全国40施設の測定を行っている。患者数は約200名の濃度測定を行っている。薬物代謝酵素やトランポーター遺伝子多型の解析を行った。 【ゲフィチニブ、エルロチニブ】 23年度より患者数は増え、現在23名の体内動態を解析している。薬物代謝酵素やトランポーター遺伝子多型の解析を行った。 【スニチニブ、ソラフェニブ】 23年度より患者数は増え、薬物代謝酵素やトランポーター遺伝子多型の解析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の平成25年度は、ニロチニブ、ダサチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、スニチニブ、及びソラフェニブの血中濃度と臨床効果および副作用との相関性を検討し、最小有効濃度あるいは最小中毒濃度をROC曲線から算出する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該研究費が生じた状況 血中濃度測定と遺伝子多型解析はまとめて測定しているため、時期が次年度にずれ込み当該研究費が生じた。 使用計画 血中濃度測定のためのHPLC分離カラム、遺伝子多型解析のための制限酵素・プライマーを購入し、本年度も引き続き解析を行う。
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