脳幹の鰓弓運動ニューロンの腹方移動に関与するリーリンシグナル系の機能を明らかとするため,リーラーマウスおよびDab1変異ヨタリマウスの顔面神経核と疑核ニューロンの分布を比較した.その結果,両変異マウスで同じ表現型を示すと思われた顔面神経核ニューロンの移動は,ヨタリマウスでより顕著に障害されていることが判明した.一方,疑核ニューロンは両者とも延髄背側で異所性に分布しており,同じ表現型を示したことから,疑核ニューロンはリーリン依存性に移動するが,顔面神経核ニューロンの移動はリーリンシグナル伝達系の他,Dab1を介する別のシグナル経路によって時期特異的に調節・修飾を受けている可能性が示唆された.
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