BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブ)は、慢性骨髄性白血病の有効な治療薬として用いられているが、薬剤耐性による治療抵抗性の症例が報告されている。本研究では、Toll様受容体4(TLR4)の白血病発症機構および薬剤耐性機序への関与について、白血病モデル細胞を用いて検討した。その結果、TLR4の活性化によりBCR-ABL蛋白質が増加し、イマチニブ耐性が誘導されることを見出した。また熱ショックタンパク質が、BCR-ABL蛋白質の安定性に関与していることを認めた。本研究成果は、慢性骨髄性白血病の薬剤耐性を克服する新たな治療法の開発に繋がる可能性が考えられる。
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