ETB受容体遺伝子欠損ラットホモ接合体及びその野生型のbasalレベルにおけるNO産生能に差は認められない。L-アルギニン静脈内投与下ではホモ接合体の腎組織中NO産生は有意に低下し、この低下は選択的ETA受容体拮抗薬により回復した。したがって、ETB受容体機能阻害時に生じる腎NO産生の低下にET-1/ETA受容体系亢進の関与が示唆される。一方、L-アルギニン投与によりホモ接合体の血中NOx含量は野生型に比して有意に増大し、血管組織中のNO産生に関わる因子の発現も有意な増加を示したことから、ホモ接合体の腎臓及び血管組織においては異なるメカニズムによりNO産生が制御されている可能性が示唆された。
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