中皮腫はアスベストの曝露から生じる予後不良な腫瘍である。我々は、中皮腫の発生に関与する新規の融合遺伝子候補を同定するために、中皮腫細胞を次世代シークエンサーにより解析した。最初に、中皮腫細胞株を対象に全トランスクリプトームショットガンシークエンスを行い、多数の融合転写産物を網羅的に検出した。次に、これら検出された融合転写産物の発現の有無を確認するために、他に5つの中皮腫細胞株も加えてRT-PCRを行い、候補を絞り込んだ。その結果、2つの融合遺伝子(DUS4L-BCAP29、PDPN-PRDM2)が中皮腫の病態に関連した有力な候補であることが示唆された。
|