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2012 年度 実施状況報告書

NLRP3およびNLRC4のリガンドの探索、同定

研究課題

研究課題/領域番号 23590513
研究機関奈良女子大学

研究代表者

小倉 裕範  奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (60304557)

キーワード感染 / 自然免疫 / Danger signal / NLRタンパク質 / caspase-1
研究概要

本研究ではふたつの細胞内シグナル伝達タンパク質、NLRP3およびNLRC4のリガンドを同定することを目指し、当初、(1)無細胞系におけるNLRP3/NLRC4活性化系の確立、(2)セミインタクト細胞におけるNLRP3/NLRC4活性化系の確立、そして(3)マクロファージ由来の脂質によってNLRP3/NLRC4が活性化される可能性の検討、を計画した。
平成24年度も前年度に引き続き(1)および(2)のための条件検討を進めたが、無細胞系あるいはセミインタクト細胞中でのNLRP3/NLRC4の活性を制御することはできず、目標の実現に困難を感じている。
(3)については平成23年度の検討で既に当初の仮定が否定されたため、継続を中止した。
(3)の実験は中止を余儀なくされたが、従来よりNLRP3の活性化には何らかの脂質代謝の関与が示唆されているので、NLRP3活性化に並行して生起する脂質代謝の変化を液体クロマトグラフ質量分析(LC-MS)により解析してみた。その結果、NLRP3活性化に並行して細胞中のセラミドが増加し、さらにはセラミド種(脂肪酸鎖長)のパターンに特徴的変化が生じることが判明した。現在、この現象とNLRP3活性化との因果関係を検討している。
また、平成24年度からは当初の計画に加えて、表面プラズモン共鳴センサーを応用したリガンドの探索を目指した実験を開始した。現在、培養細胞を用いてNLRP3タンパク質の合成し、その純化を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者が平成23年4月に所属施設を替わり、新規に研究室を立ち上げたため、研究は当初の計画通りには進展していない。しかし平成24年度にはだいたい研究環境が整い、従来行っていた実験を遂行できるようになった。さらには新たな手法を導入することもできるようになった。
実験の結果、当初の研究計画を軌道修正しなければならなくなっているが、着実に新たな知見を積み上げている。

今後の研究の推進方策

NLRP3およびNLRC4のリガンドを同定することを目指してきたが、本研究計画の最終年度である平成25年度は、主にNLRP3に注目して解析したい。特に次の2つの計画を実施する。
(1)NLRP3の活性化に並行して観察される構成セラミド種の変化とNLRP3活性化との関係を明らかにしたい。まずスフィンゴミエリナーゼ阻害剤あるいはNLRP3のRNA干渉などを用いることで、両者の因果関係を検討したい。特に、もしセラミド代謝の変化がNLRP3活性化の原因であるならば、これを手がかりとしてNLRP3リガンドの探索を進めたい。
(2)表面プラズモン共鳴センサーを応用したNLRP3リガンドの探索を進めたい。まず培養細胞で合成したNLRP3タンパク質を精製し、それをセンサーに結合させ、NLRP3活性化刺激を加えられた細胞中にNLRP3タンパク質に結合するような分子を検出できるか確認したい。もしそのような分子の存在を確認できるなら、NLRP3リガンドである可能性を検証し、単離へと進めたい。また他の研究室からミトコンドリアDNAがNLRP3リガンドとして働くとする報告があるが、これを検証したい。

次年度の研究費の使用計画

研究費は実験に用いる試薬、およびプラスチック器具などの消耗品の購入にあてられる。

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公開日: 2014-07-24  

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