研究課題/領域番号 |
23590620
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
菅沼 太陽 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00328379)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 自己主導型学習 / 因子分析 / 能力評価 |
研究概要 |
平成23年度では自己主導型学習の構成因子を探索するため、Problem-based learning (PBL)テュートリアルをモデルとして、テュートリアルセッションによって獲得できる能力評価と獲得能力とその能力に影響を与える因子を検討した。Problem-based learning(PBL)テュートリアルで獲得できる能力の評価方法の開発PBLテュートリアルで学習者が獲得できる能力は、因子分析の結果、自己主導型学習、グループダイナミクス、解釈解決、説明の4能力であった。これらの再現性を調べるため、2011年度の1~2年生を対象に、質問紙による調査を実施した。回得点の平均点、標準偏差に優位な差が認められなかったことから、前回の調査の再現性が確認された。今後、これらの能力を客観的に評価可能な試験を開発する予定である。PBLテュートリアルで獲得できる能力に影響を与える要因PBLテュートリアルで獲得できる能力に影響を与える要因を調べるため、これら4能力と学習意欲/動機付けとの関係に着目した。学習過程の中で動機付け、学習意欲は学習能力獲得に必要である。そのため動機付けと学習意欲が4能力と相関するかを調べるために、学芸大式学習意欲検査と、内発的-外発的動機付け尺度を質問紙で測定した。学習意欲の下位尺度で、促進傾向の「自主的学習態度」「達成志向」「従順性」が、テュートリアルで学習者が獲得できる能力と優位な弱い相関が観察された。この結果から、学習意欲はテュートリアルで獲得できる能力に影響を与える因子であることが考えられる。また内発的動機付け尺度得点と4能力とのそれぞれの有意な弱い相関が認められたことから、内発的動機付けも4能力に影響を与えることが明らかとなった。今後これらの影響因子の重回帰分析を実施する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していたコンピューターによる学習行動記録システムの作成予定業者を変更したため、システム作成が送れた。現在、システム作成会社を検討している。しかしその間に学習者主導型学習の中でもPBLテュートリアルにおける4能力に影響を与える要因の探索を実施し、申請時よりも細かく因子を検討した。
|
今後の研究の推進方策 |
東京女子医科大学第1~4学年を対象にして,「学習者主導型学習で向上する能力」と「学習行動」との関係を学習行動モデルとして構築する.目的変数に学習主導型学習で獲得した能力値を,説明変数に学習行動の時間を用い,共分散構造分析または重回帰分析を行う.4つの目的変数への説明変数の寄与率から,それぞれの学習行動が「獲得できる能力」へどのように影響を与えているか明らかにする.
|
次年度の研究費の使用計画 |
コンピューターによる学習行動記録システムを構築する。本システムはweb上で動作し、学習者が学習した記録を簡単にどこでも入力できるように設計する。またデータの蓄積年数を6年に対応できるよう、システム容量の検討を行う。
|