研究課題/領域番号 |
23590620
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
菅沼 太陽 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00328379)
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キーワード | 自己主導型学習 / 能力評価 |
研究概要 |
PBLテュートリアルによって習得する能力と問題発見解決能力との関係 医学部1-2学年(224名)を対象として、問題発見解決能力試験で問題発見解決能力を、また質問紙で「PBLテュートリアルで獲得できる能力」をそれぞれ測定した。問題発見解決能力試験は、事例を学生に与え、問題点とその解決方法を入力させ、問題点数、問題点のカテゴリー数、資料数、Problem finding index (PFI)として問題点をキーワードによって解析した値を測定した。質問紙は25項目から構成される質問紙で、PBLテュートリアルで獲得できた能力を「自己主導型学習」「解決解釈」「説明」「グループダイナミクス」に分けて測定した。問題発見解決能力試験と質問紙のそれぞれの測定項目との相関係数を調べた。 問題発見能力試験の測定値と各能力との相関は、PFIが自己主導型学習とグループダイナミクスに弱い有意な相関が、また資料数、資料のカテゴリーと自己主導型学習に優位な弱い相関が観察された。 さらにPBLテュートリアルで獲得できる能力と内的動機付けの「自主的学習態度」「達成施行」「従順性」との重回帰分析を行った。重回帰分析の結果、弱い相関はあるものの、有意な相関は認められなかった。平成23年度で自己主導型学習において、学習者の内的動機付けがPBLテュートリアルで獲得する能力との間に弱い相関関係が見いだされた。平成24年度は、内的動機付けとPBLテュートリアルで獲得する能力との関係をさらに詳しく調べるため、動機付け尺度とPBLテュートリアルで獲得する能力とを重回帰分析による関係性を調べた。しかしながら動機付けとPBLテュートリアルで獲得する能力との間で有意な相関関係が観察されなかった。そこでPBLテュートリアルで獲得する能力に影響を与える心理的要因として、心理的欲求の尺度を開発中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
重回帰分析の結果、動機付けの下位尺度とPBLチュートリアルで獲得できる能力との間に相関関係が認められなかったため、仮定している動機付けモデルを変更する必要がある。そのためモデル変更の予備調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
医学生を対象に自己主導型学習における動機付けを調査するため、自己決定理論に基づいたアンケートを実施する。また同時に自己主導型学習における心理的欲求尺度を測定し、自己決定理論と心理的欲求との関係を調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
アンケート調査の回答を解析するコンピューターを購入する。また解析用ソフトウェアーとしてSPSS21を購入する。さらに共分散構造解析・構造方程式モデリング用ソフトウェアとしてAmosを購入する。
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