大腸癌における上皮細胞増殖因子関連新規分子標的遺伝子の機能解析

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23590952
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 消化器内科学
• 研究機関: 愛知医科大学
• 研究代表者: 小笠原 尚高 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00433219)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 大腸癌 / 上皮細胞増殖因子 / アンギオテンシンII受容体拮抗薬

研究概要

上皮細胞増殖因子（EGF）前駆体（HB-EGF）の細胞内領域（HB-EGF-CTF）が核内移行することによりEGF関連新規転写抑制遺伝子ZFP-BAの発現が低下し、大腸癌細胞の増殖を促進するが、核内移行したHB-EGF-CTFとZFP-BAとの結合はtelmisartanの投与により阻止され、ZFP-BA発現の低下が抑制された。核内でのZFP-BAの発現が維持されることで、その下流の細胞増殖促進因子の活性化が抑制され、大腸癌細胞の増殖が抑制された。telmisartanは生体投与が可能な薬剤であり、既存の抗癌剤にかわる新規分子標的薬の一つとなりうる可能性が示唆された。