長期の腹膜透析は、腹膜の形態的異常と機能的異常を呈する。今回、クロルヘキシジン(CG)誘発腹膜線維化モデルラットを作製し、脂肪由来幹細胞(ASC)と腹膜中皮細胞(PMC)の効果を検討した。3週間のCG刺激終了後にPMCとASCをそれぞれ、刺激直後のday22とday29に移植し、day35に屠殺した。ASC投与では、移植時期に依らず、移植細胞数に容量依存性に線維化改善を認めた。ASCのday22移植群では、線維化関連因子の抑制と血管新生関連因子の上昇を認めた。ASCの腹腔内移植は、時期に依らず移植可能で、移植後早期での抗炎症作用や血管新生作用などにより腹膜線維化治癒に対して促進的に作用した。
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