研究課題/領域番号 |
23591231
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
池田 将樹 群馬大学, 医学部, 講師 (50222899)
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研究分担者 |
岡本 幸市 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00124652)
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キーワード | アルツハイマー病 / プレセニリン / リン酸化タウ / 脳脊髄液 |
研究概要 |
PS1変異FAD(PS1AD)脳脊髄液(CSF)に含まれる異なるリン酸化タウ(ptau-181,ptau-199)およびAβアミロイド(Aβ1-38,Aβ1-40,Aβ1-42)を測定し,孤発性早期発症型AD(EOSAD),孤発性晩期発症型AD(LOSAD),非認知症症例(ND)と比較した.PS1AD各症例のCSFのptau-181,Aβアミロイドについて経時的変化を検討した.PS1ADの7例(M233L:2症例,H163R:1症例,L219R:1症例,H131R:1症例,T99A:1例),EOSADの30例,LOSADの30例,NDの30例の脳脊髄液のptau-181,ptau-199)の解析を行った.ptau-181はND全例で60pg/ml以下であったのに対し,EOSADとLOSADでは有意に高値であった.PS1AD,EOSAD,LOSADはNDと比較して、CSF・Aβ1-42, ptau-181/Aβ1-42で有意差が認められた.一方,CSF・Aβ1-38は他群(EOSAD,LOSAD,ND)に比してPS1AD全例で有意な低値を示し、Aβ1-40も同様の結果であった.EOSADとLOSADはNDと比較してCSFのリン酸化タウ(ptau-181,ptau-199)で有意な差を認め(p<0.001),PS1AD症例とNDにおいても有意差は認められた(p<0.01)。今回の検討ではPS1AD全例でCSF・Aβ1-42,Aβ1-38,Aβ1-40の有意な低値を認めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プレセニリン1変異症例のCSFでのptau-181、Aβ1-42、Aβ1-40、Aβ1-38の蛋白解析を行い、論文をまとめることができた(CSF levels of phosphorylated tau and Aβ1-38/Aβ1-40/Aβ1-42 in Alzheimer’s disease with PS1 mutations.Amyloid 2013)。今後もさらに検討を重ねていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
Aβ分子種の蛋白解析についてAD以外の他の神経変性疾患の脳・脳脊髄液において検討していきたい。 またPS1変異AD脳あるいは孤発性AD脳でおいてのAβ分子種の蛋白解析も併せて行っていきたい。アミロイドPETも組み合わせて、アルツハイマー病の早期診断システムを構築したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
アルツハイマー病における早期のAβ分子種の蛋白解析を進め、アミロイドPETも組み合わせて、アルツハイマー病の早期診断システムを構築したい。遺伝子、Aβ分子種(蛋白)、アミロイドPETなどの機能画像を統合したアルツハイマー病の早期診断システムの構築に向けて準備を進めている。平成24年度の研究費を計画的に使用した結果、27,003円の残高が生じたが、平成25年度の研究費と合わせて執行する予定である。
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