ミトコンドリアは、酸素呼吸を行う細胞内小器官であり病態に応じて融合・分裂を繰り返し驚くほどダイナミックにその構造を変化させている。ミトコンドリアの分裂を制御するDrp1遺伝子改変マウスを用いて、その機能解析を行った。膵β細胞特異的Drp1欠損マウスはグルコース応答性インスリン分泌の低下、耐糖能異常を認めた。肝細胞特異的Drp1欠損マウスでは高脂肪食下で小胞体ストレスが著明に亢進し、非アルコール性脂肪肝炎が生じる一方、臓器間連関を介し耐糖能の著明な改善を認めた。 ミトコンドリアダイナミクスは個体レベルでのエネルギー代謝の恒常性維持に重要な役割をもつことが示唆された。
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