腸管上皮細胞モデルとして確立した単層培養した腸管上皮細胞に、トキシンBとフラジェリンの両方で刺激を行うと、それぞれの単独刺激に比べ、これらのケモカインの産生が著明に増加した。このことから、C. difficileフラジェリンは、腸管上皮細胞の活性化に関与している可能性が示唆された。また共生細菌からの刺激としてMDPに着目し、16時間前にMDPで前刺激した細胞にフラジェリン刺激を加えると、フラジェリン単独刺激と比較してIL-8の産生量は有意に低下した。このことから、共生細菌からの恒常的な刺激により、C. difficileフラジェリンによる活性化を制御している可能性が示唆された。
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