研究概要 |
川崎病は小児にみられる原因不明の血管炎で、しばしば冠動脈にみられるその後遺症は、青壮年期の虚血性心疾患の危険因子となる可能性が懸念されている。本研究ではその発症メカニズムを解明すべく、真菌成分誘発性川崎病モデルマウスを用いて、免疫生化学的研究を行い, その結果、1) 炎症好発部位にIgM, MBLおよび補体が沈着すること,2)真菌成分による感染刺激で自己反応性 IgMが増加すること, 3) 沈着するIgMはミトコンドリア酵素などのマウス蛋白質を認識していること, を見いだした。これらの知見は真菌成分による宿主の自然自己免疫および自然免疫系の活性化が、血管炎発症に関与することを示唆する。
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