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2012 年度 実施状況報告書

PPARαの活性化は、皮膚バリア機能異常とアレルギー性炎症の悪循環を断つ

研究課題

研究課題/領域番号 23591649
研究機関大分大学

研究代表者

波多野 豊  大分大学, 医学部, 講師 (80336263)

キーワードPPARα / アトピー性皮膚炎 / 皮膚バリア機能 / アレルギー性炎症
研究概要

1.バリア関連因子の変化によるPPARα発現に対する影響を検討するため、培養HaCaT細胞におけるフィラグリン遺伝子をsiRNA を用いてノックダウンした。更に、フィラグリン遺伝子をノックダウンしたHaCaT細胞を用いて3次元培養皮膚を作成することに成功した。
2.培養表皮角化細胞におけるPPARα遺伝子をsiRNAを用いてノックダウンしてアレルギー炎症において重要な役割を担うケモカインであるTARCの 発現について、半定量的RT-PCR法とウェスタンブロットにて検討したところ、mRNAとタンパクの両方においてその発現は亢進していた。
3.培養HaCaT細胞におけるPPARα遺伝子をsiRNAを用いてノックダウンしてアレルギー炎症において重要な役割を担うケモカインであるTARCの発現について、半定量的RTーPCR法とウェスタンブロットにて検討したところ、mRNAとタンパクの両方においてその発現は亢進していた。
4.培養HaCaT細胞におけるTARCの産生に対するPPARαのリガンドの影響を、半定量的RT-PCR法とELISA法にて検討したところ、TARCの産生はmRNAとタンパクの両方において低下した。
以上より、表皮角化細胞におけるPPARαの異常が、皮膚バリア機能とアレルギー炎症の両者に関与することがより明確となって来た。更に、PPARαの活性化により、アレルギー性炎症が制御されるメカニズムも判明してきた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

バリア機能異常とアレルギー炎症の両側面と、表皮角化細胞におけるPPARαの役割が判明しつつあり、PPARαの活性化による、バリア機能異常とアレルギー炎症を同時に制御しその悪循環を断つための治療戦略に向けた知見の蓄積がなされつつある。

今後の研究の推進方策

1.フィラグリンをノックダウンすることによるPPARαの発現変化を、3次元培養皮膚構築経過に沿って調べる。
2.定常状態でバリア機能低下の認められるフィラグリン低下マウス(flaky tailマウス)におけるPPARα発現を調べる。
3.培養表皮角化細胞におけるPPARα遺伝子をノックダウンしてアレルギー炎症において重要な役割を担うケモカインであるTSLPの 発現について検討する。
4.PPARαの活性化によるTSLPの発現変化を調べる。
5.ハプテン誘導性或いはflaky tailマウスを用いたアトピー性皮膚炎モデルマウスにおいて、PPARαリガンドの塗布が、PPARα活性化やPPARαやフィラグリンの発現増強を誘導するか検証する。更にその結果として、脂質合成亢進やTARCやTSLP発現を低下を介した、バリア機能異常の是正やアレルギー炎症の低下をもたらすかを検証する。

次年度の研究費の使用計画

マウス飼育関連、PCR関連、細胞培養関連、蛋白解析用抗体、遺伝子ノックダウン関連などの、物品購入のための直接経費として全て使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Depressed PPAR accelerates a vicious cycle between allergic inflammation and barrier dysfunction2012

    • 著者名/発表者名
      Yasuko Adachi, Yutaka Hatano, Takashi Sakai, Sakuhei Fujiwara
    • 学会等名
      The 37th annual meeting of the Japanese Society for Investigative Dermatology
    • 発表場所
      Okinawa, Japan
    • 年月日
      20121207-20121209

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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