PPARα遺伝子をsiRNAを用いてノックダウンした培養表皮角化細胞では、アトピー性皮膚炎(以下、AD)の病態で重要なケモカインであるTARCとRANTESの発現が亢進し、バリア機能において重要なロリクリンとトランスグルタミナーゼ1の発現が低下することを見出した。更に、PPARαの合成アゴニストの添加により、表皮角化細胞におけるTARCとRANTESの発現は低下し、ADにおいて低下しているフィラグリンの発現は亢進した。PPARαの発現低下は、ADの病態における皮膚バリア機能異常とアレルギー性炎症の両側面に同時に関与し、その活性化は、両側面を同時に標的とする治療法となり得ることが示唆された。
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