研究課題/領域番号 |
23591822
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
田村 正三 宮崎大学, 医学部, 教授 (60150439)
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研究分担者 |
矢野 貴徳 宮崎大学, 医学部, 講師 (20315378)
畠山 金太 宮崎大学, 医学部, 准教授 (60325735)
山下 篤 宮崎大学, 医学部, 助教 (90372797)
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キーワード | 静脈血栓 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
本研究では、種々の性状の静脈血栓をラット下大静脈で作成し、質的診断を行った上で、血栓溶解剤等での効果を検討することを目的としている.静脈血栓症に対しては種々の予防・治療がおこなわれているが、実際の臨床現場においては個々の症例ごとに、血栓吸引との組み合わせや、薬剤の変更、保存的観察など、静脈血栓の形成時期や性状にあわせた治療法の検討が必要である.遺伝子導入を用いたラット静脈モデルでは、遺伝子の種類やtype、投与量をコントロールすることにより、血小板や血球成分の量、器質化の程度などを変えて作成することが可能と考えられ、静脈血栓の検討に有用と考えられる. 本研究目的達成のため、初年度の平成23年度には静脈血栓を惹起させる蛋白をラット下大静脈壁にて過剰発現させる目的で、組換えアデノウイルスの作成、生体外での評価を行った. 平成24年から25年度にはこの生体外での実験結果および実験計画に基づき、まずラットでの静脈血栓モデル作製、血栓評価を行った.SDラットの下大静脈を麻酔下で露出し、同部に対して組換えアデノウイルスを用いて遺伝子導入を行った.遺伝子導入の後、目的蛋白の発現評価および経日的に形成される静脈血栓の質的評価を行った.この結果、目的蛋白発現と予想される静脈血栓の関連性が一定せず、画像診断に至る当初の実験計画の変更が必要と考えられた.蛋白の過剰発現が静脈血栓の性状にもたらす影響以外に、実験の手技的要因(静脈を遮断する方法や枝の処理法等)なども少なからず影響していることが考えられた.そこで平成25年度では手技の修正、組換えアデノウイルスの精製頻度、評価を高め、目的蛋白発現が一定して得られる状態が得られた.現時点では血栓の評価中であり、今後は年度内には達成不可能であった画像評価、薬剤との関連検討を進める予定である.
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