研究課題/領域番号 |
23591824
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 守男 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50154109)
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研究分担者 |
河合 信行 和歌山県立医科大学, 医学部, 研究員 (90405423)
生駒 顕 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60458065)
園村 哲郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60264892)
南口 博紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90364091)
中井 資貴 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30464671)
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キーワード | 溶解型マイクロスクエア / RMゼラチン / ゼラチンパウダー |
研究概要 |
【目的】これまで我々は低エンドトキシン性ゼラチンを用いて、シート状の溶解型ゼラチンスポンジ製剤を開発し、基礎的、動物実験的検討を報告してきた。今回溶解型マイクロスクエアとしてのRMGパウダー(RMP)を作製することができたので、①RMPの熱架橋温度の違いによる生食内での溶解時間の測定、②RMPによる豚肝動脈塞栓で、血管撮影による血管再開通性、病理組織で肝組織の障害、塞栓物質の残存率を評価した。【対象と方法】①200-500μm、500-1000μmのRMP(7%濃度、50KDa)を110℃、115℃、118℃、120℃、122℃、125℃で24時間熱架橋したものを、生食内で37℃恒温漕振盪下で溶解時間の測定、②RMP200-500μm(A群)、500-1000μm(B群)でそれぞれ2頭ずつ肝動脈塞栓し、塞栓前、塞栓直後、1時間、2時間、3時間、24時間、48時間後に血管撮影。 2日後の病理組織で肝梗塞率、RMPの残存率を評価した。【結果】①120℃熱架橋RMP200-500μmで159.2±12.4h、500-1000μmで168.8±15.9hであった。②120℃RMPを用いて肝動脈塞栓施行。血管撮影上は24時間後に再開通していたが、肉眼的に肝辺縁に壊死を生じ、壊死率はA群7.6±5.1%、B群2.6±2.5%、RMPの残存率はA群で100-200μm、B群で200-500μmの血管内で高かった。【結語】RMPは生食内で溶解し、血管撮影上も再開通がみられたが、病理的には肝辺縁に壊死、塞栓物質の残存があった。また、より細径の粒子で壊死率が高く、塞栓物質もより細径の動脈に分布していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまで、東北大震災の影響によりゼラチンの製造会社の製造がストップしていたが、ようやく溶解型ゼラチンのマイクロスクエア(RMGパウダー)が製造可能となった。これにより、豚を用いたin-vivoでの実験が可能となった。今回、RMGパウダーを用いて、肝動脈塞栓術を行い、病理組織学的評価を行うことができた。これまでは、RMGのシスプラチンの徐放性について検討してきており、その徐放性について報告できた。このため、溶解型ゼラチンのマイクロスクエアの使用により、その安全性が示せれば、より研究が前進すると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今回行った溶解型ゼラチンのマイクロスクエア(RMGパウダー)の基礎的検討は、Nが少なく、追加実験も考慮している。
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