研究課題/領域番号 |
23591856
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
関口 悟 東北大学, 大学病院, 講師 (20312580)
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研究分担者 |
後藤 昌史 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50400453)
赤松 順寛 東北大学, 大学病院, 助教 (50302112)
里見 進 東北大学, 大学病院, 教授 (00154120)
小川 則彦 東北大学, 大学病院, 助教 (60617108)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ドナーソース / 膵外分泌細胞 / アデノウイルス |
研究概要 |
(1)本年度当初にNgn3, MafA, およびPDX-1のDNA配列を検索確認の上、蛍光マーカー遺伝子を搭載した組換えアデノウイルスの作成をタカラバイオ(株)に依頼、作成した。膵外分泌細胞由来のAR42J細胞を購入し、単純培養に至適な条件を確認した後、アデノウイルスベクターを導入実験するための、細胞濃度に於いても一定の長期培養に耐えられることを確認した。その後、個々のNgn3, MafAおよびPDX-1を導入するアデノウイルスの濃度をかえてAR42J細胞に感染させ、蛍光法を用いて各遺伝子が導入されているかどうか蛍光法を用いて確認するも、高濃度では死細胞が多く、低濃度では低導入という結果となった。また、少ない遺伝子導入細胞にて、転写因子の発現を、RT-PCRで確認するも、確認できなかった。(2)実際のマウスの外分泌細胞に遺伝子導入をするために、まずは膵外分泌細胞の分離を行い、細胞培養の至適な条件を確認することとした。外分泌細胞は、腺管細胞、外分泌細胞と混在した状態で分離されるため、個々の分離、サンプル採取時で、混在度合いが違うため、まずはできる限り腺管細胞を選り分けたものを使い培養を試みるも、培養早期の死滅細胞が多くそのため、凝集を起こし、遺伝子導入に至適な細胞培養の条件を見つけ出すまでに至たっていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大震災の影響で、動物実験施設の使用が制限されたり、冷蔵庫や各種測定機器等ほとんどの実験機器が破損したため、代替の機器を導入したり、実験環境が整うまでに時間がかかり、実験が大幅に遅れた。また、実験過程においても、少ない遺伝子導入細胞で、転写因子の発現をRT-PCRで確認しようとしたが、確認できなかったことや、遺伝子導入に至適な細胞培養の条件をいろいろと試みたが、最適な条件を見つけ出すまでに至らなかったことが遅れている理由である。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 最初に作製したアデノウイルスベクターを用いて、もう一度導入条件(培地、細胞数、ウイルス数)を変え、死細胞の減少、導入効率の上昇を模索する。その上で、転写因子の発現を再度RT-PCRで確認、さらに可能であればWestern Blotにて確認する。どうしても死細胞が多い場合は、遺伝子導入用の個々のプラスミドを作成した上、他の遺伝子導入法にても同様の実験を行ってみる。遺伝子導入良好でも、転写因子の蛋白の発現が思わしくない場合には再度、遺伝子導入用のベクターの再設計、作成を依頼、新たなベクターを用いて同様の実験を行う。(2) 継続して、膵外分泌細胞の至適な細胞条件(細胞培養液、添加する酵素阻害剤等)を模索する。腺管細胞と外分泌細胞の簡単な分離方法を見つけ出し、可能であれば個々に培養、遺伝子導入可能な至適培養条件にての一定期間の培養を可能とする方法を検討する。(1)にて、遺伝子導入条件が確定できた場合にはこれら細胞を用いて遺伝子導入実験を行い。遺伝子導入の有無、可能であれば転写因子の蛋白の発現の有無を確認する。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費として、ARJ細胞及び細胞培地に10万円、PCRプライマー及びその消耗品費に20万円、抗体及びWestern Blot 消耗品費に30万、実験動物(マウス)に20万円を計上した。また、成果発表旅費として20万円を計上した。
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