研究課題
近年乳がんの治療成績が飛躍的に向上したが、転移再発乳がんは依然治療手段が限られている。日本では主に欧米よりの輸入医薬に頼っており、厚生労働行政の観点からも世界初の副作用の少ないがんワクチンが開発された場合は大きな意義を有する。本研究では標準治療抵抗性進行再発乳がん患者を対象として新規ぺプチドワクチンを開発する。本学開発中のテーラーメイドペプチドワクチン(PPV)は、前年度まで科研費基盤C研究として、標準治療抵抗性乳がん79例で化学療法の併用した症例も含め、良好な臨床成績が得られ、特にTN症例14例ではCRを含む4例で長期にわたり生存中である(2013SanAntonio Breast Symposium発表,)。また、基礎的組織学検討では、多くのTNにおいてPPV由来腫瘍抗原たんぱくが高率に発現されており、新たな治療ターゲットとなりうることが示唆された。(唐ら、2013年日本癌学会、2014年外科学会発表、Breast Ca Res. 2014高橋、唐ら)これら研究成果を踏まえ、新たな研究としてトリプルネガティブ乳がんに対し、治療薬としての汎用性にあり、HLA型に関わらず投与可能で、かつ乳がん患者投与前血漿中に7割の症例においてIgG1抗体を認める19種類ペプチドカクテルを開発し(乳がん治療特許申請予定)、20ペプチドの個別の安全性はすでにヒトにおいて検証されており、また20種類を一括投与した非臨床試験でも安全性が検証されている。この新しい当該ワクチンカクテルはペプチドワクチン長所(がん抗原エピトープのみ)とテーラーメイド型の長所(2次免疫賦活)及び蛋白ワクチンの長所(HLA非拘束)を有しており、世界最初の開発研究といえる。TN乳がんに特化した臨床試験計画書は当学倫理委員会の承認を受け、2014年度から更に日本学術振興会基盤研究C研究費の支援を受け、フェースII臨床試験施行中である。
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