研究課題/領域番号 |
23592061
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
三好 新一郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00190827)
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研究分担者 |
豊岡 伸一 岡山大学, 大学病院, 講師 (30397880)
宗 淳一 岡山大学, 大学病院, 助教 (90559890)
佃 和憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (20346430)
浅野 博昭 岡山大学, 大学病院, 助教 (70534775)
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キーワード | 原発性肺癌 / マイクロRNA |
研究概要 |
悪性腫瘍においてマイクロRNA (以下、miRNA) の異常が注目されている。miRNAはRNA干渉により複数のタンパク質の発現を抑制する。原発性肺がんは様々な病態の解明や新しい治療法の研究が行われているにもかかわらず、がんによる死因の第一位であり、さらなる病態の解明・新しい治療法の確立が急がれる。本研究の目的は、原発性肺がんにおけるmiRNA異常を解析し、その病態の解明と新しい治療法の開発を目指すことである。本研究では、原発性肺がん細胞株、臨床検体においてDNAのメチル化により発現が抑制されているmiRNAを同定する。同定されたmiRNAを原発性肺がん細胞株に遺伝子導入し、miRNA導入の効果・機能(抗腫瘍効果、標的メッセンジャー RNA、細胞周期等)を解析し、抗腫瘍効果とともに病態への関与を解明する。マウスモデルにおいてもmiRNAの抗腫瘍効果を検討し、ヒトへの臨床応用の可能性を探索する。3年間の研究期間内で以下の項目を検討する。# 1. 原発性肺がんにおいてメチル化異常、発現異常を示すmiRNAの同定。# 2. 該当miRNAの原発性肺がん細胞株に対する抗腫瘍効果の検討(in vitro)。# 3. 該当miRNAの機能解析と原発性肺がんの病態の解析。# 4. 原発性肺がんマウスモデルでの抗腫瘍効果の検討 (in vivo)。 前年度で同定したmiR-34b/cについては、比較のために正常中皮細胞において解析した結果、miR-34b/c発現を抑制することにより細胞増殖や浸潤能が亢進することを確認した。前年度で同定したmiR-34b/c以外に、miR-200cが原発性肺癌において発現異常を示すことを認めた。また、これらのmiRNAの機能解析として、miRNAをノックダウン後にMTSアッセイとコロニーフォーメーションアッセイにより腫瘍増殖の変化を解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
miR-34b/cに加えてmiR-200cが原発性肺癌において発現異常を示すことを同定しており、さらにこれらのmiRNAの機能解析として、miRNAをノックダウン後にMTSアッセイとコロニーフォーメーションアッセイにより腫瘍増殖の変化を解析している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はマウスモデルにおけるmiR-34b/cベクター導入による抗腫瘍効果をin vivoで検討を行うとともに、miR-200cなど、他の候補miRNA候補が同定されれば、同様に検討を行う(#4. 原発性肺がんマウスモデルでの抗腫瘍効果の検討 (in vivo))。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は51円であり、これは予想よりも安い金額で物品の購入が出来たことによる残額である。 上記金額と、平成25年度に請求する研究費とを合わせた使用計画としては、標的miRNAのアデノウイルスベクターの作成とマウスモデルでの抗腫瘍効果の検討である。
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