研究課題/領域番号 |
23592240
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
穴水 依人 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70302693)
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研究分担者 |
宮崎 剛 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (50376480)
田中 栄 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50282661)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | シグナル伝達 / 破骨細胞 |
研究概要 |
[内臓の病気であるメタボリックシンドローム]と[運動器の障害が原因でおこるロコモティブシンドローム]の関連性を明らかにすることにより、これらシンドロームによる健康寿命の短縮を総合的に予防することを最終目標とする。我々は、運動器の中でも特に骨代謝において重要な役割を果たしている破骨細胞性骨吸収におけるミトコンドリア機能/細胞内ATP濃度の役割を解析してきた。最近、細胞内エネルギーが欠乏しAMP/ATP比率が高まると活性化されるAMPK(AMP-activated protein kinase)の制御が、肥満および糖尿病に対する1つの重要な戦略となっている。本研究では、破骨細胞のAMPK活性をコントロールすることにより、破骨細胞性骨吸収とメタボリックシンドロームとの関連性を検討し、健康寿命延長への総合的かつ新たな筋道を見つけることを目的とする。 AMPKは3つの異なるサブユニット(α, β, γ)からなるヘテロ3量体からなる。AMPK αは触媒サブユニットで、N末端側にセリン/スレオニンキナーゼドメインがあり、AMPKの酵素活性としての機能を担っている。このキナーゼドメインにはリン酸化サイト(Thr172)が存在し、この部位のリン酸化状態の変化がキナーゼの活性に大きな影響を与える。また自己抑制ドメインやC末端側にはβサブユニットとの結合ドメインが存在する。AMPK α1, α2のリン酸化サイトに変異を入れると(T172A)、ドミナントネガティブ型(DN型)として働く。また、リン酸化サイトに加えて、C末端領域を削ると恒常的活性化型(CA型)として働く。本年度、これらの遺伝子を組み込んだアデノウイルスを作製することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
AMPK α1, α2の恒常的活性型およびドミナントネガティブ型の遺伝子を組み込んだアデノウイルスの作製に成功し、myc-tagでその発現を確認することができた。
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今後の研究の推進方策 |
AMPK α1, α2変異型遺伝子を組み込んだアデノウイルスを感染させ、AMPKのキナーゼ活性の制御によって破骨細胞の機能が変化するかどうかを検討する。まず、これら破骨細胞内のAMPK活性をAMPKの下流に存在し、直接リン酸化されるACC(Acetyl-CoA Carboxylase)のリン酸化レベルをphospho-ACC抗体を用いたウエスタンブロットにより評価する。破骨細胞の骨吸収機能は、象牙質(dentine slice)上に破骨細胞を培養し、破骨細胞がdentine slice表面の吸収した面積(吸収窩)を測定することにより評価する。コラーゲンゲル上で骨芽細胞と骨髄細胞の共存培養を行い、十分量の破骨細胞を形成させ、検討を行う。その他、これら破骨細胞を用いて、ATPの産生量を測定し、細胞骨格の評価をアクチン染色にて、また破骨細胞の自発的アポトーシスへの影響をSurvival assayにて評価する。さらには、培養細胞長時間イメージング記録システムを用い、破骨細胞のmotility、メンブレンのラッフリングなどを評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
AMPK α1, α2抗体やACC(Acetyl-CoA Carboxylase)抗体およびリン酸化レベルをphospho-ACC抗体などがウエスタンブロットにより評価するために必要である。破骨細胞の骨吸収機能の評価には、象牙質(dentine slice)、破骨細胞がdentine slice表面の吸収した面積(吸収窩)を測定するためのソフト(Image Analyzer)が必要である。破骨細胞のATPの産生量を測定するためのATP assay kitなどの消耗品が必要である。
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