研究分担者 |
澤村 裕正 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70444081)
竹内 二士夫 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70154979)
徳永 勝士 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40163977)
馬淵 昭彦 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80312312)
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研究概要 |
2014年3月31日までに、新たな研究協力施設(清澤眼科)を追加し、視神経炎患者のDNAを73サンプル収集した73症例の内訳は、男性18例、女性55例、平均年齢48.2±14.8才、経過観察期間は4.0±3.8年であった。両眼性が29例、片眼性が44例であった。視神経炎の病型としては多発性硬化症(MS)に伴うもの10例、視神経脊髄炎(NMO)に伴うもの13例、MSとNMOの合併例2例、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)1例、肥厚性硬膜炎1例、特発性46例であった。血清中抗Aquaporin4抗体は検査を行った54例中23例(43%)に認められた。経過中に36例(49%)に再燃が認められ、視神経炎の再燃回数は平均1.04±1.55回であった。 これらの視神経患者のうち51例のDNAサンプルを用いて、DNAマイクロアレイ(Axiom Genome-Wide Human DNA Array)を用いてゲノムワイド関連解析を行った。コントロールとして東京大学医学部人類遺伝学教室が保有する健常人419例のDNAマイクロアレイのSNP多型データを用いた。Manhattan Plotにて第2染色体C2orf61、第4染色体RAB28、KCNIP4(Kv channel interacting protein 4)、第9染色体GLDC(glycine dehydrogenase decarboxylating)、第9染色体HAUS6(HAUS augmin-like complex, subunit 6), FAM154A(Family With Sequence Similarity 154, Member A)、第16染色体CBLN1(Cerebellin 1)、第17染色体CACNG4(Calcium channel, Voltage dependent Gamma subunit 4)付近の領域にChi二乗検定でp=0.0001~0.000001程度の弱い相関性を持つ疾患感受性遺伝子の候補領域が見出された。まだサンプル数が少なく、Bonferroni補正後の有意差は付いていない。今後、さらに多くの視神経炎患者のサンプルを集め、解析を継続する予定である。
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