研究課題/領域番号 |
23592629
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大植 孝治 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50314315)
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研究分担者 |
福澤 正洋 大阪大学, その他部局等, 名誉教授 (60165272)
上原 秀一郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00448060)
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キーワード | 横紋筋肉腫 / ヘッジホグシグナル / Gli-1 / 阻害剤 / Cyclipamine / Forskolin / 細胞増殖 / 分子標的治療 |
研究概要 |
Hhシグナルの特異的阻害薬による細胞増殖抑制効果の検討 横紋筋肉腫由来の細胞株RMS-YM、RD、RH30の3株を用い、ヘッジホッグ(Hh)シグナル阻害剤を用いて細胞増殖の抑制実験を行った。Hhシグナルを特異的に阻害する薬剤としてCyclopamine 及びForskolinの2種類を用い、まず、シグナル活性化の指標とされるGli1遺伝子の発現が抑制される抑制実験を行うったところ、阻害剤によりGli-1の発現低下が認められた。次に、細胞増殖抑制効果をWST assayにより検討したところ、各細胞株において、Hhシグナル系阻害薬によりdose-dependentに細胞増殖の抑制が認められた。また、ヘッジホッグシグナル阻害剤の添加により、Apoptosisの増加が認められた。以上の結果から、ヘッジホッグシグナル系は横紋肉腫の増殖に深く関わる因子であることが示唆され、ヘッジホッグシグナル阻害剤の分子標的治療薬としての可能性が示された。また、各細胞株をヌードマウス皮下に移植して腫瘍を作成し、Forskolinを皮下注射したところ、腫瘍の増殖が抑えられた。 Hhシグナルの特異的阻害薬による細胞浸潤抑制効果の検討 腫瘍の浸潤能及び運動能の評価にはMatrigel Invasion Assay及びwound closure assayを用い、それぞれの細胞株におけるHhシグナル阻害剤添加による影響を解析した。Matrigel Invasion Assayでは膜の裏面に浸潤した細胞数を計測したところ、いずれの細胞株でもHhシグナル阻害剤の添加により、平均浸潤細胞数は有意に低下した。Wound closure assayでは、横紋筋肉腫細胞の細胞層に付けた傷の閉鎖時間はHhシグナル阻害剤の添加により有意に遅延した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Hedgehog阻害剤を用いたIn vivo及びIn vitroでの増殖能抑制実験はほぼ終了し、予測通りの結果が得られ、成果を英文論文にて報告した。また In vitroでの浸潤能抑制実験も開始し、今のところ予測通りの結果がでつつある。SiRNAを用いた抑制実験に関しては、SiRNAの条件設定に難渋し、阻害剤を用いた実験程順調に進んでいないが、阻害剤を用いた実験でも一定の結論は得られると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、Hedgehog阻害剤を用いたIn vivo及びIn vitroでの浸潤能抑制実験をさらに進める予定である。 さらに、現時点で得られた結果は順次学会発表し、論文にまとめてゆく。 SiRNAを用いた抑制実験に関しては、SiRNAの条件設定に難渋し、阻害剤を用いた実験程順調に進んでいない件で あるが、別のSiRNAを購入して試してみる予定であるが、高価であり予算に限りがあるので、阻害剤を用いた実験を推進してゆく方が効率的である。
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次年度の研究費の使用計画 |
In vitroでの浸潤能抑制実験も開始し、今のところ予測通りの結果がでつつある。SiRNAを用いた抑制実験に関しては、SiRNAの条件設定に難渋し、阻害剤を用いた実験程順調に進んでいないが、阻害剤を用いた実験でも一定の結論は得られると考えている。今後はin vivo、in virtoの系において浸潤能抑制実験をさらに推し進めるとともに、国内学会、国際学会にて研究成果の発表を行い、最終的に英文論文にまとめて投稿する。
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