本研究課題では介護老人保健施設に入所している高齢者を対象として,心拍変動の周波数解析結果から睡眠の質を評価する方法について検討してきた。期間前半は,健康成人のデータを基に作成した評価方法を用いて高齢者の睡眠を評価可能かどうかについて検討した。期間後半では,高齢者の睡眠及び生体リズムの改善に効果があるとされている介入を実施し,心拍変動データによる睡眠評価結果を,腕時計型活動量計ならびにシート型睡眠評価機器から得られた結果と比較した。その結果,極端に活動量が低下している対象の睡眠状態を評価するには,活動量のみで睡眠を評価する方法よりも,心拍変動データによる評価がより適している可能性が示唆された。
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