研究課題/領域番号 |
23593378
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
井手 知恵子 大分大学, 医学部, 教授 (00232421)
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研究分担者 |
志賀 たずよ 大分大学, 医学部, 准教授 (90305847)
後藤 奈穂 大分大学, 医学部, 助教 (30582811)
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キーワード | 都道府県保健師 / 人材育成 / ジョブローテーション |
研究概要 |
本研究は、都道府県保健師の人材育成を考慮したジョブローテーションに資することをめざし、保健師としての資質と能力を備えた経験豊かな保健師について、職務経験とそれによる能力の獲得経過と、その経過における現任教育の環境条件を明らかにすることを目的とする。 今年度は、昨年度実施した調査をもとに、保健師経験3年以上の保健師および他職者より推薦され、研究協力の意向を確認できた保健師8名(年齢55~60歳、全て女性)に対する半構成的面接から、職務経験とそれによる能力の獲得経過、および現任教育としての環境条件について質的記述的に分析した。 8名は保健師教育卒業直後に県職員となり35~39年(平均36.8年)の経歴を持ち、保健所、県庁内の部署、福祉等の出先機関、その他(県職員健康管理、看護基礎教育、市町村派遣等)の異動を10~14回(平均11.4回)経験し、経験順序と経験の質の組み合わせに応じて、個々に保健活動実務能力と行政執行能力を獲得していた。 その環境条件には、保健師としての活動の原動力となるような住民の健康生活にかかわって得られた手ごたえ、専門職あるいは公務員、社会人としてのモデル的存在、指導的あるいは支持的な人材といった人的環境が重要であること、時代社会に要請される健康課題や活動方法にかかる知識、情報、施策の動向や研修の機会、モデル事業、大学等との共同研究など外的契機などがあげられた。 これらのことから、専門職、行政職としての職務経験の内容から獲得する保健活動実務能力と行政執行能力について、活動指針や人材育成ガイドラインを活用しながら、自己のキャリアを俯瞰し管理していくためのツール開発が必要と考えられた。また職業人モデルや指導的、支持的人材といった人的環境が重要であり、職場の環境、職場文化を醸成する人的環境のあり方をジョブローテーションに反映させる必要がある。
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