本研究は、在宅要介護高齢者との死別が家族介護者の健康とQOLに及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、前向き調査を行った。在宅要介護者の主介護者476人にベースライン調査を実施し、その1年後と3年後に追跡調査を2度実施した。第2回目の追跡調査の回答者は197人であった。このうち、要介護高齢者の介護を続けていた人は72人、死別により介護を終えた人は93人であった。 介護を終えた93人について、疲労、うつ、QOLをベースライン調査時点(介護実施中)と第2回追跡調査時点(介護終了後)で比較した結果、介護終了後は、疲労とうつ得点が有意に低下すること、QOL得点は有意に上昇することが明らかとなった。
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