研究課題/領域番号 |
23593394
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
塩見 美抄 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (10362766)
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研究分担者 |
牛尾 裕子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (00275322)
井上 清美 神戸常盤大学, 保健科学部, 准教授 (20511934)
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キーワード | 地域看護学 / 保健師基礎教育 / アセスメント / 教材開発 |
研究概要 |
本研究の目的は、保健師基礎教育課程の学生の、地域における対象アセスメント能力を向上させることを意図した視聴覚教材を開発し、その効果を検証することである。 研究2年目にあたる平成24年度は、平成23年度に作成した視聴覚教材原案の洗練の後、教材の制作を行うと共に、制作した視聴覚教材の試用・検証のため、コントロール群への介入を実施する計画であった。 1.視聴覚教材原案の洗練と教材制作:教材は、個人・家族のアセスメント(家庭訪問)と地域のアセスメントの2つにわけて、制作した。まず、個人・家族のアセスメントについては、研究会議や研究組織外の大学教員による意見収集を通じ、事例設定や教材の構成、シナリオ等の検討を重ねた。その上で、家庭訪問におけるアセスメントに関する映像教材を制作した。地域のアセスメントでは、保健師の日々の地域活動を通じた気づきから、地域のアセスメントを行う思考過程を可視化するための、架空地域や事例の設定を研究会議を通じて検討し、教材案を作成した。 2.視聴覚教材の試用・検証:2大学の学生を約200名を対象にし、教育場面において、作成した家庭訪問の映像教材を試用した。1大学では、3年次の学生を対象として、視聴覚教材を用いずに家庭訪問演習を行った後、視聴覚教材完成の後に映像を視聴してもらい、視聴前後の評価を行った。もう1大学では、半数の学生に視聴覚教材を用いずに教育を実施し、視聴覚教材完成後に残る半数に教材を使用して教育を実施して、2群を比較評価した。評価には、家庭訪問演習目的に照らして作成した学生自己評価用紙を使用した。視聴覚教材の使用群と非使用群を比較した結果、使用群の目標到達度が有意に高かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
個人・家族のアセスメント教材の開発については、概ね順調に進行している。 地域のアセスメントの教材の開発については、研究分担者の海外研修や、研究協力者の産前・産後休暇があり、教材案の作成までは進行したものの、教材の完成には至れなかった。
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今後の研究の推進方策 |
個人・家族のアセスメント教材については、HPや学会において、制作した教材を周知・配布すると共に、教材に関する意見を収集する。また、教材に対する学生の意見を、インタビューにより収集する。得られた意見を基に、教材を用いた指導ガイドを作成する。また、1大学100名の学生を対象に教材を試用し、今年度の非使用群と比較・検証する。 地域アセスメント教材については、今年度の案を洗練し、教材を完成させる。完成した教材を、2大学20名程度の学生を対象に試用し、教員および学生からの意見を収集して、教材の検証を行う。 研究成果は、国内外の学会で発表すると共に、論文やHPで公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の残金の大部分は、研究分担者2名への分担金の残額である。1名の残金は、海外研修期間に本研究の遂行ができなかったことが理由であり、もう1名は研究代表者と共に研究を遂行したため、独自で費用が生じる機会が少なかったためである。 残金は、以下の次年度研究費にあてる。 1)地域のアセスメント教材の制作のための会議開催、意見収集、印刷費 2)教材の試行のための、消耗品費、謝金 3)研究成果の公表のための、HP制作費、学会参加旅費、論文投稿費
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