研究課題/領域番号 |
23611050
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研究機関 | 久留米工業大学 |
研究代表者 |
東 大輔 久留米工業大学, 工学部, 准教授 (20461543)
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研究分担者 |
石井 明 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (80325571)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 自動車デザイン / エアロダイナミクス / 感性工学 |
研究概要 |
(1)3Dモデルによる自動車デザイン評価分析これまで行ってきたBMW3シリーズセダンモデル(E90型)のデザイン評価に加えて同型のクーペモデルに対してもデザイン評価分析を実施した.デザイン評価は工学系学生15名を対象に実施し,結果を数量化理論I類でアイテム分析することで各形状変更のデザイン評価に対する影響度を調べた.その結果,興味深い事にクーペモデルのデザイン影響度分析結果はセダンモデルの結果と同様となった.同じBMW3シリーズの派生モデルで形状が酷似しているため当然の結果とも言えるが,全く異なる被験者で行ったデザイン評価において酷似したモデルの分析結果が一致したことは,本分析手法の信頼性の高さを示す結果と言える.(2)評価モデルの空力性能評価エコデザイン支援システムに組み込むCFD(Computational Fluid Dynamics:空力シミュレーション)システムで有意な空力評価が可能かを検証する狙いで,風洞試験とCFDの検証試験を実施した.本研究助成金で導入した3D切削機(Roland MDX-40A)を用いることでCFD用のCADデータから直接風洞試験用のモデルを製作することが可能になり,これまで行っていたクレイモデルによる風洞試験よりも正確な検証が可能となった.H23年度は空力評価が難しいリヤ周りの形状変更について検証を行い,風洞試験とCFDの傾向は良く一致.エコデザイン支援システムにCFDシステムを導入する上で有益な結果を得た.(3)自動車デザイナーからの意見集約2011年11月に行われた東京モーショーのプレスデー会場において国内外の自動車メーカーデザイナーと意見交換を行い,エコデザイン支援システムに対する要望など,多くの有益な意見を得ることができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で述べたとおり,H23年度に計画していた3D評価モデルを用いた自動車デザイン調査分析については有益な知見を得ることができた.また,エコデザイン支援システムに組み込むCFDシステムの風洞試験との検証についても,本研究助成金で導入した3D切削機(Roland MDX-40A)を用いることでより正確な検証が可能となり,空力評価が難しいリヤ周りの形状変更について風洞試験とCFDの傾向が良く一致するなど有益な結果を得た.さらに,2011年の東京モーショーでは国内外の自動車メーカーデザイナーからエコデザイン支援システムに対する要望など,多くの有益な意見を得ることができた.ただ,H23年度に予定していた北米の自動車デザイナーの意見を集約する点については未達成となってしまった.これについてはH24年度に北米へ渡航し,リカバリーする予定である.
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今後の研究の推進方策 |
(1)デザインモデル自動提案手法の研究これまでの研究で得られたデザイン評価分析結果と空力性能評価結果を融合し,自動でデザイン形状提案を行うシステムの検討を行う.具体的には,デザイン評価分析結果と空力性能試験結果をファジー理論などで融合し,提案形状を数値化する.その後,数値化された形状データを3Dモデルとして視覚化する手法についても検討する.H24年度は少なくとも評価の融合と形状の数値化までは必達目標とする.(2)外部への研究報告と自動車デザイナーからの意見集約H24年度は北米渡航を実現し,北米自動車メーカーのデザイナーなどからエコデザイン支援システムへの要望などを集約する.
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)物品費自動車デザイン3Dモデル作成システムとして,「ワークステーション+モデリングソフトウェア」(300千円/1セット)を久留米工業大学と九州大学に各1セット導入する.(合計で700千円).その他に細かい必要物品も購入する.(2)旅費研究代表者(久留米工大:東)と共同研究者(九州大学:石井教授)の二人で北米へ渡航する.(200千円×2名).
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