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2011 年度 実施状況報告書

肢体不自由者のうつ熱予防のための熱電素子を用いた接触式抜熱システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 23650360
研究機関国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)

研究代表者

硯川 潤  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究員 (50571577)

研究分担者 中村 隆  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 義肢装具技術研究部, 義肢装具士 (40415360)
井上 剛伸  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 部長 (40360680)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワードうつ熱 / 肢体不自由者 / ペルチェ素子 / 体温調節 / 電動車いす
研究概要

本研究の目的は,肢体不自由者のうつ熱を予防するために,接触面からの抜熱による体温制御の基礎的指針を構築することである.今年度は,i)システム駆動時の消費電力の定量化,ii) 体圧分散を考慮した熱的インターフェースの構築,iii) 被験者実験のための予備的データ取得,の3点を実施した.i) 4基のペルチェ素子を背面部に搭載した電動車いすを用いて,室温27度における駆動電力と到達温度の関係を評価した.その結果,標準形電動車いすに搭載される70 Ah程度のバッテリ容量で,10度前後の温度を維持しながら14時間程度の駆動が可能であることが分かった.ii) ペルチェ素子と人体間の高い熱伝達効率と体圧分散性を兼ね備えた接触面を実現するために,熱伝導性ゲルを用いた背部クッションを試作した.圧力センサによる接触圧の評価では,肩甲骨直下でも接触圧が80 mmHgに抑えられ,十分な体圧分散性が得られることを確認できた.iii) 室温34.5度の高温環境下において,複数点の体温を計測しながら冷却時・非冷却時の変動を比較したところ,腹部皮膚温・耳内温の双方で顕著な差を確認できた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

次年度に予定している接触式抜熱と人体温挙動の詳細な関係性解析に向け,本年度はi)システム駆動時の消費電力の定量化,ii) 体圧分散を考慮した熱的インターフェースの構築,iii) 被験者実験のための予備的データ取得,をそれぞれ実施した.これらの項目は,次年度の実験的な熱挙動の解析に必須の項目である.よって,これらの項目を順調に達成できたことで,次年度の研究計画を速やかに遂行できると考える.

今後の研究の推進方策

身体-抜熱システム間の熱バランスと身体温の関係性についてのモデルを構築するために,うつ熱症状を有する肢体不自由者を被験者として試行実験を行う. i) 環境温度一定下での,身体→抜熱システムへの熱流束と素子駆動電力の関係.ii) 環境温度・QC一定下での,身体温・体表温の挙動.iii)環境温度一定下で QC を変化させた際の,身体温・体表温の挙動.iv)QC 一定下で環境温度を変化させた際の,熱放散量と身体温・体表温の関係.v) 抜熱部位 (駆動するペルチェ素子の空間的パターン) と身体温変化の関係.などの項目について定性的な関係性を把握する. そのために,環境温度・接触面温度・ペルチェ素子温度・素子駆動電力と身体温・体表温の経時的変化パターンを計測・分析する.

次年度の研究費の使用計画

・電動車いすの制御システムの納品遅れに関して発生した繰越金は,本年度内に発注作業が完了しており,次年度初頭に速やかに執行される予定である.本年度の使用計画は以下の通りである.・システム制御回路試作:350000,・被験者謝金:300000,・熱的インターフェース製作材料費:200000,・車いすシーティング部材購入費:150000,・学会参加費および旅費:100000

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ペルチェ素子を用いた車いす搭載形うつ熱予防システムの提案と吸熱特性の評価2011

    • 著者名/発表者名
      藤本翔, 硯川潤, 城内博, 井上剛伸
    • 学会等名
      日本人間工学会関東支部第41回大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011年12月10日

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公開日: 2013-07-10  

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