本研究課題では摂食障害に深く関連する身体像に着目し、身体像を測定する方法(身体描画法)を考案するとともに、これを用いた摂食障害予防に役立つ教育的な介入方法を検討した。1.身体描画法による全身自画像は自由連想法による描画テストに比べ、描画の安定性、再現性が高いことが確認された。2.身体描画法により描かれた本人の全身自画像と写真とを身体像分析ワークシートを用いて比較分析する介入を行ったところ、体型認識度、身体感情、身体態度、身体満足度において、介入の実施前後で有意な肯定的な変化が認められた。身体像の再認識が促されると適切な身体意識、ひいては健康的な食生活の維持が促進されるものと期待された。
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