研究課題
音フィードバックシステムを実装し、剣玉やジョギング、スキーなどで実験を行った。しかし、2つの点で完全なガイドを動的に行うことはできないことがわかった。(1)ヒトの認知速度に関する問題がある。すなわち、動作をセンサーで取得し、音声に変換する時間が、フィードバックまでのディレイとなり、違和感を招くため、リアルタイムの音変換は有効ではない。また、(2)テンポを補正することができない。単純に現在の動作を音に変換してフィードバックしても、テンポの補正は難しい。これは、目標テンポに対する正しさの情報がないためである。この(2)の問題点を解決すべく、フィードバック方式を3つに分類し、スマートフォンに実装して、その効果を議論した。ガイド音をトリガにして、そのトリガに対し、遅れ・早まりを検出し、次のガイド音を決定する方式として3つあることがわかった。(1)ポジティブフィードバック(ガイド音に対して動きの遅れに関しては、音が長くなり、早まりに関しては短くなる)、(2)Trueネガティブフィードバック(センサーデータのトリガが期待時間より遅れていた場合、その遅れの分だけ、音時間を縮める)、(3)Falseネガティブフィードバック(タイミング遅れの際は「遅れの音」、タイミングが早い場合「早すぎの音」をそれぞれ、センサートリガーから次のトリガまでの間鳴らす)、と分類される。しかし、どの方式もヒトの音声ガイドで正しい動作タイミングに補正されることはないことがわかり、音でのガイドは不可能であるという結論に至った。しかし、動作から取得した加速度センサーデータに音程・パン・ボリュームをマップした音は動作イメージをつかむのに有効であることはわかった。また、初年度に実施した音刺激に対する運動量に関する論文を発表した。
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