この研究では太極拳初心者20名と太極拳熟練者20名の、弓歩(前脚を曲げ、後脚を伸ばす歩行の型)と独立歩(片脚立ち)の動作における身体をコントロールする方法と身体感覚とを、撮影とインタビューによって比較している。初心者は指導者の真似をすることによって、正しい安定した動きをしようとしている「つもり」であるが、身体の動きをコントロール出来ず、過度に緊張したり、身体軸を歪めてしまっている。熟練者は安定した、正確な動きができ、身体をコントロールする方法やコントロールの感覚は繊細で、身体全体を用いている。また、「コツ」として身体の緊張をゆるめ、ゆるめることによって、自ら主体的に、過度に緊張することなく、必要なだけの意図を働かせて、身体軸を保った動きをしている。
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