X染色体の遺伝子は1000種類以上あり、特に脳や精巣の発達に重要なものが多いが、XistとTsixというわずか二つの遺伝子によって多くが制御され、母胎内の化学物質に脆弱性が高いと推察される。そこで脳や精巣毒性が知られるビスフェノールA、ベンゾaピレン、DEHPを妊娠マウスに投与、その出生仔を解析したところ、XistやTsixの変化とともに多くの脳や精巣の発達に重要なX染色体の遺伝子が変化しており、毒性学上の全く新しい作用の可能性を提起した。さらに、これらの遺伝子の変化に一定の法則性を見出し、XistとTsixをバイオマーカーとして化学物質の次世代健康影響の予測システムへの応用可能性を示した。
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