研究課題/領域番号 |
23653315
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
眞城 知己 千葉大学, 教育学部, 准教授 (00243345)
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研究分担者 |
生川 善雄 千葉大学, 教育学部, 教授 (60276863)
太田 正己 千葉大学, 教育学部, 教授 (70213741)
北島 善夫 千葉大学, 教育学部, 教授 (70260479)
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キーワード | 特別支援教育 / 教科書 / 教師用指導書 / 共同学習 / インクルーシヴ教育 |
研究概要 |
24年度は、23年度に行った調査の結果の信頼性を高めるためにさらに追加の質問紙調査を実施した。この調査では、教科書指導書に特別支援教育の視点を取り入れていくために、まず教科書を使用している教師が指導書に求める要因を整理することを目的とした。質問紙調査法により、272名の教師の回答を分析した。そして、教科書指導書において、学習困難、障害特性、及び学習進度のはやい児童への特別支援の記載の方法や、多様な集団における個々の児童に指示する問題の手がかり、及びグループ学習における配慮事項の記載を行う上で、大きく3種類に分けて示すことが合理的である可能性を導いた。この結果にもとづいて、共同学習の際に教科書を利用した学習活動を行う上で、特別支援に関する配慮事項の指導書への記載について考察を加えた。なお、本研究ではコンジョイント分析の応用として、得られた各回答者のプロファイルをクラスター分析を利用して分類し、回答者の属性とクロス集計によって対応させて解釈する方法も取り入れた分析方法を採用した。 この調査結果をふまえて、研究協力校における実証授業を行った。まず、上記調査を応用して授業担当者3名が上記の3タイプのいずれに属するかを把握した上で、授業前にその教師のタイプに応じた配慮事項の伝達を行った。 さらに共同学習においてiPadで独自の補助教材を製作し、この活用を行いながら、特に支援の必要な児童の理解の促進の様子を検討した。独自の補助教材では、読書教材の中で、児童が自ら調べることができる単語のレファレンス機能を具備させて、スムーズな内容理解につながっている様子が観察された。 今後、さらに授業での検証を重ね、具体的な指導書案のモデルを提示できるようにしたい。
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