非可換確率論(=量子確率論)においては、普遍的な‘独立性概念’を一つ指定するごとに一つの‘確率論’が生じるものと考えられるため、独立性の概念を理解することは重要である。独立性概念の新しい例として、古典的な独立性概念とヴォイクレスクの自由独立性の概念を補間する普遍的な独立性の1径数族(= q-独立性)を構成し、中心極限定理、少数の法則、畳み込み、キュムラント等の確率論的概念の q-類似を得た。さらに、新しい独立性概念として捩れ独立性を発見した。また、筆者による独立性概念の分類定理(2003年)はその証明が長く煩雑で読み通しがたいものであったが、正値性の仮定の下で証明の単純化に成功した。
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