K中間子のベータ崩壊発見を目指し、これを実現する検出器の開発を行なってきた。特に大強度中性子、ガンマ線入射環境で、荷電粒子検出効率99%の検出器を、ガスワイヤーチェンバーにより実現した。これは多線式比例係数管(MWPC)の一種、Thin Gap Chamberと分類されるものであり、12umの薄いカソードと、CF4とn-pentaneの混合ガス3.2mm厚で、合計5mg/cm2と非常に低物質量でありながら、荷電粒子検出効率99%を実現した。さらにこの検出器を実際に利用する大強度KLビームラインにインストールし、動作検証を行った結果、ヒットレートも十分低く抑えられ、安定動作することを実証した。
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