本研究課題においては、血管内治療として使用される血管内塞栓物質に注目した。一般に使用される血管内塞栓材料がゼラチン系材料が多いのに対して、近年、高分子ゲルを主材料とした新規血管塞栓材料が報告されつつある、そこで本研究においては高分子ゲルからなる塞栓材料に対して、超分子科学に代表される環状化合物であるシクロデキストリンを導入することによって、薬物送達能を有する塞栓材料と自己修復性能を有する塞栓材料の作製に成功した。特に自己修復性については、材料が破断しても速やかに材料同士が接着する挙動が確認され、材料強度が回復する性能が確認された。今後、血管内で材料の劣化や損傷が起きても自己修復によって初期の機能回復が期待される。
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