本課題は、ESR装置の心臓部である空洞共振器の試料挿入部分等の軽微な改良により、装置の高感度化を図り、分子素子研究やスピントロニクス研究に応用する事を目指した挑戦的課題である。動的電子スピン分極が小さい物質やスピン数の少ない試料でも過渡的な状態の検出が可能となるよう、時定数1μ秒まで検出可能な高速DSPロックインアンプを用いて、時間分解ESR装置の高感度化を試みた。簡単な回路を自作し、分子デバイス研究にとり有力な電流検出ESRを同じ装置で測定可能にした。最近スピントロニクス分野のホットな話題であるスピンポンピングの実験装置としても使用できるようESR装置の制御プログラムを改良した。
|