プロトコル・スワッピングによる動物心理の包括的理解

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23657055
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 動物生理・行動
• 研究機関: 東京大学 (2013); 京都大学 (2011-2012)
• 研究代表者: 江島 亜樹 東京大学, 農学生命科学研究科, 講師 (00548571)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2012
• キーワード: 行動生理

研究概要

ヒトを含む多くの動物では脳内のモノアミン神経伝達物質が「快」「不快」などの情動を決定している事が知られている。本研究では、ショウジョウバエオスの求愛行動制御機構を足がかりとして、動物の気分（情動）変化を脳内モノアミン量の変化をパラメーターとして表現する事を目標に行われた。
昆虫の主要モノアミンであるドーパミン、セロトニン、オクトパミン生合成に関わる遺伝子、各受容体の遺伝子の突然変異体の行動解析を行ったところ、複数の変異体において求愛率の低下が見られる事が確認され、その中でも一過的な作動剤投与によりオスの求愛行動を即効的に上昇させる神経伝達物質の同定に成功した。

研究成果

• [雑誌論文] Dye-Fills Reveal Additional Olfactory Tracts in the Protocerebrum of Wild-Type Drosophila (2012)
  • 著者名/発表者名: Tanaka NK, Suzuki E, Dye L, Ejima A, and Stopfer M
  • 雑誌名: Journal of Comparative Neurology 巻: 520(18) ページ: 4131-4140
  • 査読あり
• [雑誌論文] Neuroscience : Lessons from heartbreak (2012)
  • 著者名/発表者名: Ejima A
  • 雑誌名: Nature 巻: 489(7414) ページ: 38-9
• [雑誌論文] Assay for courtship suppression in Drosophila (2011)
  • 著者名/発表者名: Ejima A, Griffith LC
  • 雑誌名: Cold Spring Harbor Protocols
  • DOI: 10.1101/pdb.prot5575
  • 査読あり
• [雑誌論文] Central regulation of locomotor behavior of Drosophila melanogaster depends on a CASK isoform containing CaMK-like and L27 domains (2011)
  • 著者名/発表者名: Slawson JB, Kuklin EA, Ejima A, Mukherjee K, Ostrovsky L, Griffith LC
  • 雑誌名: Genetics 巻: 187(1) ページ: 171-184
  • 査読あり
• [学会発表] 感覚入力によって段階的に制御されるショウジョウバエ生殖行動 (2013)
  • 著者名/発表者名: 江島亜樹
  • 学会等名: 第7回Motor Control 研究会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 2013-09-05
• [学会発表] オスの求愛を環境適応的に制御する嗅覚系アセチルコリン入力 : ハエを用いた心理学 (2011)
  • 著者名/発表者名: 江島亜樹
  • 学会等名: 第4回分子高次機能研究会 : 昆虫脳という小宇宙
  • 発表場所: 阿蘇
  • 年月日: 2011-08-26
• [備考] 公開授業:失恋の思い出 : ショウジョウバエから学ぶ フェロモンと記憶の関係, 九州大学 , エクセレント・スチューデント・イン・サイエンス育成プロジェクト, 2012年10月20日
• [備考] ワークショップオーガナイザー(共同オーガナイザー : 九州大学石原健) : 意思決定のヒラメキ:定量的行動解析と蛍光イメージングで探る情報処理の神経基盤, 日本分子生物学会, 2012年12月13日, 福岡
• [備考] 学会主催(大会長) : 第五回分子高次機能研究会~高次機能を生み出すエコプロセッサ~, 2012年8月27~29日, 大津