研究課題
挑戦的萌芽研究
ニホンナシで多発している萎縮症について、圃場レベルで移動可能な小型MRI装置による'幸水' 症状発生樹の画像資料の入手とともに、生体情報としてSF-8 サップフローメータで樹液流動及び水ポテンシャルの日変化をプレッシャーチャンバー法で計測した.その結果、MRIパラメータとして算出したT1・ADC・プロトン密度画像から、明らかに重度の萎縮症枝では、健全枝に劣る水分環境にあることが分かった.また、ADC値の変化は'幸水'枝内の水分生理が変化することとよく一致し、夜間は低位(2×10-5cm2/s)であるが、6:00以降上昇して12:00には5×10-5cm2/s となった.ステージ別の樹液流についてみると枝葉の伸長時期には軽度の萎縮症発生枝と健全枝間に差異は認められないが、発芽期~リン片脱落期~展葉期には萎縮症枝で低位であり、水分通導機能の支障が示唆された.このような成果から、非破壊画像が入手できる小型モバイルMRIは、萎縮症発生の早期予測技術として有用できると思われる.
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Review of Scientific Instruments
巻: 82
DOI:10.1063/1.3589854