脱皮行動誘導ホルモン(Ecdysis Triggering Hormone, ETH)は、ecdysisを誘導するペプチドホルモンである。しかしETHは幼若ホルモン(JH)産生器官であるアラタ体でのJH合成を強く促進し、この作用は終齢脱皮の6時間前に最も強くみられ、これは終齢脱皮時のJH合成が盛んに行われる時期と一致していた。またこの時期のみにアラタ体でETH受容体が高発現していることを見いだし、この時期特異的なJH合成刺激作用はETH受容体発現の有無によることが示唆された。これらのことからETHがアラタ体を刺激して幼虫脱皮直前のJH合成のピークを生み出す要因の一つであることを明らかにした。
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