砂質な土壌は貧しいとする土壌肥沃度の常識に挑戦するため、ナミビアとニジェールの砂質土壌の比較、ニジェールにおける圃場試験をおこなった。その結果、両土壌には、砂含量には違いが認められないものの、粘土とシルトの割合が異なり、土壌生成条件の違いを反映して粘土鉱物の組成にも顕著な違いが認められた。ニジェールにおける圃場試験の結果、粘土とシルトの合量が5%を超えると、クラストが形成されやすく、土壌への雨水の浸透速度は大幅に低下した。その結果、土壌中に蓄えられ、作物が利用できる水分が減少し、作物生産は妨げられることが明らかとなった。
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